ラシックスとアルダクトンAを比較・違いや併用についてまとめ

ラシックスとアルダクトンAを徹底比較!

 

ラシックスは「ループ利尿薬」ですが、アルダクトンAは「アルドステロン拮抗薬」と呼ばれる利尿薬となります。つまり作用が異なってくるので、全く別の医薬品ということになります。

 

ここでは、ラシックスとアルダクトンAの比較を中心に違いなどを解説していきます。

 

アルダクトンAとは?

アルダクトンA(成分名:スピロノラクトン)は、主に利用剤や降圧剤として利用される医薬品となります。

 

英語だと「Aldactone-A」となり、前半の「Aldactone」は副腎皮質ホルモンのアルドステロン(Aldosterone)に由来し、後半の「A」は「Absorption吸収」ということになります。

 

目次

 

ラシックスとアルダクトンAの大きな違い

 

心不全や肝硬変による浮腫の治療に使われる点はラシックスと同様ですが、作用のしくみが違います。

 

人間の体内には「アルドステロン」と呼ばれる副腎皮質ホルモンがあり、血圧を上昇させる作用があります。尿は腎臓の作用で作られますが、尿として体から排出されるまでにはいくつかのプロセスがあります。そのプロセスのうち、アルドステロンは「遠位尿細管」というところで作用し、ナトリウムを再吸収する働きを持っています。ナトリウムは水分とともに体内に吸収されるため、体内の水分量が増えて血圧が上昇するというわけです。水分が体内に吸われるため、そのぶん尿量は減ることになります。

 

ここでアルダクトンAが登場します。アルダクトンAはアルドステロンの作用を阻害するため、「遠位尿細管」でナトリウム(水分)の再吸収が抑えられ、膀胱に多くの水分が届くことになります。つまり、尿量が増えるわけです。このため、アルダクトンAは「アルドステロン拮抗薬」と呼ばれているのです。

 

また注目点としては、体内カリウム量の保持があります。アルドステロンは体内にナトリウム(水分)を吸収する際、代わりにカリウムを体外に排出します。しかし、アルダクトンAはその作用を阻害するわけですから、体内のカリウム量を保ちつつ尿を増やすことができるのです。そのため、「カリウム保持利尿薬」という呼ばれ方をすることもあるほどです。

 

以上をまとめると、ラシックスとアルダクトンAの大きな違いは以下の通りです。

 

名称 体内カリウム量
ラシックス 減る
アルダクトンA 保持

 

このように、ラシックスは利尿作用が出る代わりにカリウムを多く失ってしまいますが、アルダクトンAは体内カリウム量を保持したまま尿量を増やすことができるわけです。

 

副作用の違い

 

上で説明しましたが、ラシックスとアルダクトンAの大きな違いは「体内カリウム量」の部分です。ラシックスの副作用の一つに、体内カリウムが失われることによる「低カリウム血症」がありますが、アルダクトンAだとその心配はないことになります。

 

そう考えるとラシックスの代わりに最適に思えますが、大きな落とし穴があります。

 

アルダクトンAは副腎皮質ホルモンの「アルドステロン」に作用しますが、実は抗男性ホルモン作用ももっているのです。そのため、男性ホルモン分泌量が減り、男性が服用すると、最悪の場合睾丸萎縮・無精子症などのリスクがあるのです。

 

また、女性が服用した場合も、副腎や肝臓の作用を弱める可能性があり、ラシックスより副作用が軽いということは決してないのです。

 

しかも、カリウムを保持するのに尿量が多くなることから、相対的に体内のカリウム量が多くなり、高カリウム血症のリスクもついてまわります。高カリウム血症は電解質異常の一つで、以下の症状が現れます。

 

味覚異常、四肢の麻痺、筋力低下、だるい、吐き気、下痢、不整脈など

 

低カリウム血症もやっかいな副作用ですが、高カリウム血症もそれと劣らずいろいろな症状が現れてしまいます。

 

もちろん、医師の処方で出される場合は必要と判断された上なので問題ありませんが、むくみ取りやダイエット目的で、自己判断で利用していいものではないのです。

 

ラシックスとアルダクトンAの併用は比率がカギ

 

病気の症状によっては、ラシックスとアルダクトンAが併用されるケースはあります。ラシックスだけを使用すると低カリウム血症のリスクがあるので、アルダクトンAを併用することで体内のカリウム量のバランスを取ろうとするわけです。

 

一般的には、この比率はアルダクトン:ラシックスが「100:40」と言われています。つまりアルダクトンAを100mg使用するなら、ラシックスは40mg併用するというわけです。

 

とはいえ、これは心不全や肝硬変などの浮腫が重症化した場合などの対応となり、繰り返しになりますが健康体の人が利用していいものではありません。確かに体内カリウム量を保つことはできますが、ラシックスとアルダクトンAのその他の副作用が重なり、異常な低血圧などさまざまな症状が現れるでしょう。