ラシックス服用中の運動・運転について
医薬品を服用している場合、運動や運転をしてもいいの?という点が気になると思います。
ここでは、ラシックス服用中の運動、そして運転について注意点を説明します。
ラシックス服用中の運動の注意点
ラシックスを服用しているからといって、運動してはいけないというわけではありません。もちろん、心不全や肝硬変といった重大な症状でラシックスを服用している場合はNGです。しかし、むくみ治療として医師の診察の上でラシックスを処方されている場合は、軽い運動程度なら問題ないでしょう。
とはいえ、ラシックス服用によって運動のパフォーマンスは明らかに低下します。理由は以下の2つです。
ラシックスを服用すると、1~2時間程度で強力な利尿作用が働き、尿意が強くなります。もし運動をする数時間前にラシックスを服用していたら、尿意が強くて運動どころではなくなるでしょう。
ラシックスは体内のカリウムを排出する働きがあるため、低カリウム血症という副作用があります。低カリウム血症になると、筋力低下や筋肉痛、さらには吐き気・めまいといったさまざまな症状が現れてきます。
とくに筋力関係の副作用は、運動のパフォーマンスを激しく落としてしまいます。また吐き気やめまいなどがあれば、運動をする気そのものがなくなるでしょう。
このように、ラシックスそのものには運動への影響はありませんが、尿意や副作用が間接的に運動能力を落とし、やる気もそいでしまうことになります。
なお、ラシックスを服用すると、スポーツ大会などのドーピング検査に引っかかり、失格や出場停止などの処分となってしまいます。個人的な趣味の運動でもおすすめはできませんが、本格的にスポーツをしていて大会出場予定などもあるようなら、ラシックスは絶対にNGです。
ラシックス服用中の車の運転の注意点
最近、医薬品を飲んだ人が自動車事故を起こす事件が多くなってきています。そのため、「ラシックスを服用して運転すると危険なのではないか」と考える人もいるでしょう。
結論から言うと、ラシックスを服用しての運転はあまりおすすめできません。その理由を解説します。
先ほど説明したように、ラシックスは服用すると1~2時間程度で血中濃度が最大となり、強い尿意が出てきます。もしその時間帯に運転をしていたとしたら、トイレに行きたくて運転の集中力がかなり下がってしまうでしょう。そのため、安全確認がおろそかになり、事故を起こしてしまう・・・といった事態も考えられます。
ラシックスの副作用が強く出てしまうと、けいれんや吐き気などの症状が出てきます。具合が悪いときは運転をしないのが基本なので、副作用が出た場合は運転は危険です。
また、さらに副作用が重度になると、めまい、耳鳴りといった五感の働きを悪くする症状も出てきてしまうので、車がふらついたり、視界が悪くなって事故を起こすケースも考えられます。
つまり、ラシックスの副作用は車の運転にとっては良くないことばかりということなのです。
なので、まず尿意についてはラシックスの服用タイミングをしっかり調整することが重要です。仮に昼過ぎに運転する予定があるのなら、ラシックスは朝早く起きて早朝に飲むようにしましょう。そうすれば運転する前にある程度ラシックスの効果が薄れ、尿意に左右されることは少なくなるでしょう。なお、前日夜に飲めばいいのでは?と思うかもしれませんが、夜にラシックスを飲むと夜中ずっと頻尿に悩まされることになり、睡眠不足になりかねないのでおすすめできません。
また、ラシックスの副作用が強く出ている場合は、車の運転は控えたほうがいいでしょう。吐き気やけいれん、めまいなど、運転を難しくする症状が多いので、事故につながる可能性があります。